子宮内膜症と診断されました。漢方でできることはありますか?

子宮内膜症は、本来は子宮の内側にしか存在しないはずの子宮内膜が、子宮以外の場所(卵巣、腹膜など)で増殖、剥離(はくり)を繰り返す病気です。子宮の内側からはがれ落ちた子宮内膜は、月経血として腟から身体の外に流れ出ていきますが、子宮以外の場所で増殖した子宮内膜は腹腔内にとどまり、炎症や痛み、癒着(ゆちゃく)の原因になります。実際には、経血の量が多く塊がドロッと出ます。出血も一度、生理が始まり、間で出血が止まり、また出血が始まるような場合もあり、出血する日が長引きます(時に20日以上続くときも)。また、生理痛がひどいため痛み止めをたくさん飲まないと我慢できず、仕事や生活に支障がでます。一方、卵巣にできたものを卵巣チョコレート嚢胞(のうほう)とよびます。卵巣チョコレート嚢胞ができると卵巣の中の卵子の質が低下してしまうので、妊娠を希望している人にとっては深刻な病気です。


なぜ子宮内膜症が発生するのか、その原因ははっきりしていません。月経血が卵管からお腹の中に逆流し、そのままとどまってしまうという説(子宮内膜移植説)が有力視されています。そのほかの原因としては、最大の原因は、女性のライフスタイルの変化による月経回数の増加や、生活習慣病が関係しているとされています。


漢方薬は、子宮内膜症によってできた病巣を「瘀血(おけつ)」と考え、それをしっかりと血行を良くして改善します。また、冷えがあると血液が固まりやすくなるので、冷え体質を改善する事も病気を進行させない秘訣です。次の検査まで様子見の間にも、自分でも改善できます。食事もとても関係があり、コレステロールや、中性脂肪、血糖値が高い状態の血液では、病気は改善できません。デトックスをして血液をきれいにしていきましょう。これについては千幸堂では酵素での「断食」を指導しています。最後に、布ナプキンもお勧めしています。紙ナプキンだと高分子ポリマーが冷えピタのような効果になり、子宮を冷やし固くしてしまいます。昔の生活の知恵を取り入れ、漢方と食事で体質改善していきましょう。